10月4日(木) WEL’SARK西日暮里
臨床美術
~石に描くアナログ画~
今月一回目は『石に描くアナログ画』というプログラムを行って頂きました。プログラムについて支援員にお聞きすると、臨床美術ではサインやシンボルのようなデジタル表現ではなく、目に見えない形のないのも、つまり感じたものや思いなどを描いたり、形にしていくアナログ表現を大切にしているそうです!今回は自然から生まれた石の形態の面白さを感じながら、色鮮やかな線、面、点などを用いて素材の魅力を引き出し、個性豊かな作品が生まれる事を体験するプログラムを教えて頂きました(^^)
初めに石の中から好きな石を一つ選びます。色や形、大きさも様々で選出が難しく、決めた後でも何回か石を変えている利用者さんもいらっしゃいました。
石に描く前に使用する筆三本を使い試し書きを行いました。使ってみたい色や好きな色を三色選び、直線や曲線を描いたり、力の加減などを確かめます。
一通り試し書きをしたところで、スポンジを使って、ベースの色を塗っていきます。石の表情を観察したり、デコボコを確認しながら表面をポンポン叩くように乗せます。
水を含ませない事で色がはっきりと乗りました。
全面に塗るので指に絵の具が付いてしまい、初めは汚れないように気をつけていましたが、徐々に気にならなくなり作品作りに没頭してしまいました。
アクリル絵の具は速乾性があるそうですが、すぐに乾かしたいときはドライヤーで対応します。
ベースの色が塗り終えたら好きな模様や線を好きな色で描いていきます。
石のでこぼこを見つけて、それを生かして線を描いても良いそうです。
カラフルなベースを乗せ、その上から黒で画を書いています。斬新で素敵です。
ベースは緑一色で塗られていましたが、途中から水色を重ねています。爽やかな作品が出来上がりそうです。
ベースの段階で宇宙を連想させるような作品になったので、イメージを変えようと、太陽、月、お花を各面に描きました。先日みた映画『ライオンキング』が頭に残っていたのでしょうか。パワーストーンのような力をもつ、壮大なイメージが沸きましたが、表現するのは難しいです。
当初抱いたイメージがそのまま作品に反映されないこともあり、作品作りは試行錯誤を繰り返し、完成までコロコロとイメージが変わっていきます。
ピンクがアクセントとなりポップな印象に変わりました。色使いがとてもきれいです。
白と黒で表現された富士山だそうです。
実際見ると、スポンジの表面の模様が金粉に見え、高級感と『和』を感じる作品です。
好きな色の画用紙を選び、台紙を作ります。好きな形に切ったり、はさみを使って仕上げに入りました。台紙があるのとないのでは、印象が異なりグッと石が引き立つそうです。
最後に好きなところにサインを書いて完成です!!
何回かプログラムを受講しましたが、1.2番を争うくらい作品作りに没頭し、集中したプログラムでした。皆さんも石に描く工程は時間を忘れるくらい集中して取り組まれておりました。
作者からの想いを引き継ぎ、どれも不思議な力が宿る特別な石になったと思います(^^)/♪